探偵業法施行16周年

2007年6月1日に「探偵業の業務の適正化に関する法律」が施行され、早くも16年が経過します。

同法律に基づき初年度2007年に探偵業の開始届けが受理された沖縄県内の探偵業者が、現在でも12件存在しています。沖縄県内には、現在64件の探偵業の届出があるようですので約2割ほどです。

探偵業者の創業開始日は明確ではありませんが、法人の設立日やこの「探偵業開始届出証明書の番号」は、ごまかす事はできません。

探偵業届出番号には「地域番号(97は沖縄)・届出年(西暦下二桁)・通し番号」の数字8桁が表示されています。

探偵業者の開業年数は、この番号からお客様にも一目で分かります。

例えば第9720・・・・号の場合は、沖縄県内で2020年に探偵業を開始した事が分かります。

前述の12件の探偵業者は第9707・・・・号(2007年)の届出番号で16年以上の探偵業の経験値を持った探偵業者です。

古参であれば優良な探偵とは限りませんが、毎年行われる所轄警察署から16回の立入検査を受けてきた事は確かです。

何よりも探偵業法がなぜ成立したのか?当時の悪徳探偵が起こした所業と問題点を良く知っています。

そして、同業者として肩身の狭い苦い経験をした上でこの法律によって「探偵業が社会的に認められる職業になってもらいたい」と願いながら今日まで節度を守り営業してきた探偵業者でもあるのです。

しかし、業歴の浅い探偵業者の中には、これまで古参の探偵業者が取り組んできた自浄努力を理解せず、目先の利益しか考えない探偵が多くなりました。

探偵業法施行前の行儀の悪いずるい探偵が、また増えてきているようです。

そんな探偵業者のネット広告で「クチコミ投稿★評価多数」など、まるで飲食業のクチコミブログのような宣伝をよく見掛けます。

また、県外の自称大手と言う探偵会社による沖縄地域をターゲットにしたウソのクチコミや紹介誘導サイトも多くあります。

開業わずか数年でクチコミが数十件もある探偵は、探偵業者としてどんなサービスをしているのか?とても不自然です。

これは、近年多くの方々が日常的に利用するネット検索の「飲食店や商品選びで利用するクチコミ情報」と同様に錯覚させる手法です。

本物の探偵利用者は、飲食店利用者のように何度も食べ歩き他店と味やサービスを比較するような機会はありません。

探偵を選ぶ際は、探偵業届出番号から口コミやお客様の声などの評価に矛盾がないか充分確認してみてください。

有識者の間では、いつまで経っても探偵業界のネット広告は「悪質な自作自演の誇大広告が氾濫している」と厳しく指摘されています。

日弁連(日本弁護士連合会)からも不適切な広告を規制する探偵業法の改正を求められています。

そもそも広告にウソの内容を掲示したり、誇大広告を出すことは法律違反です。

探偵業は、調査で真実を見つけるのが仕事です。その探偵が、ウソや客観性のない事を書き並べ消費者を惑わしてはいけません。

こんな探偵業者は、自ら探偵業者としての信頼性を大きく失墜させているのです。

所詮、客商売だから目立つ宣伝をしよう。探偵の技術力を高めて差別化を図ろう。と考えるのは自由です。

しかし、自分の生業である探偵業という業種の品位を下げない事を大事に考えて欲しいと思います。

これまでも「探偵業は裏稼業だから儲けないと意味が無い」そんな考えの不良探偵が、デタラメの広告をして業界のイメージを壊してきました。

沖縄県内でも「そんな探偵が出現しては消えていく」を何度も繰り返しています。

探偵業法施行記念日を迎えるにあたり、探偵業者は、16年間の業界の歴史を理解した上で自らの倫理観を高めるべきでしょう。