離婚原因と認められる事項

配偶者が協議離婚に応じない場合は、民法による離婚事由(法定離婚事由)に該当することが必要となります。

  • 配偶者に不貞な行為があったとき(770条1項1号)
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき(同項2号)
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき(同項3号)
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき(同項4号)
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(同項5号)

この5つのいずれかに該当する場合、配偶者が離婚に応じなくても、離婚訴訟を起こして裁判所に離婚を認めてもらうことができます。

また、これらの離婚原因を作った配偶者(不貞行為を行った場合の配偶者)は、有責配偶者(婚姻関係を破綻させた責任のある配偶者)にあたり、有責配偶者に対しては慰謝料を請求することができます。

しかし、離婚の慰謝料は、配偶者の不倫相手には請求できません。

夫婦と不倫相手三角関係相関図

離婚時の精神的慰謝料を、別れた配偶者の当時の不倫相手に請求できるかが争点となった裁判で、2020年最高裁は「特段の事情がない限り請求できない」との判決を下しました。慰謝料を請求していた原告男性の逆転敗訴が確定しています。

原告の男性は、2015年に離婚した元妻と過去に不倫関係にあった相手に対して「不倫が原因で離婚した」として慰謝料など約500万円を求めて提訴。1、2審は不倫と離婚に因果関係があるとして元不倫相手に約200万円の支払い命令が出ましたが、被告側が上告し、最高裁は「離婚は本来、夫婦間で決められる事柄。第三者の不貞(不倫)行為によって婚姻関係が破綻して離婚に至ったとしても、第三者がただちに離婚慰謝料の賠償責任を負うことはない」との判断を示しました。

※もちろん、発覚当時、妻との不倫(不法行為)による精神的慰謝料の請求は可能だったはずです。

不倫・浮気による損害賠償(慰謝料)請求は、不倫・浮気の事実があったことを知り、その加害者が誰であるかを知ってから3年以内に行なわなければなりません。

疑惑を感じたら自分を守る為にも、しっかりした調査を行い、明確な証拠をとっておく必要があるのです。