ウルトラマンから私たちへ

皆さんは、幼い頃に憧れたヒーローや人物がいますか?男性ならタイガーマスクや仮面ライダーといったヒーローに一度はなりたいと強く思った時期がある事でしょう。ヒーロー物と言えば、正義が悪の組織と戦い、地球の平和を守るというのが主流ですが、ただ単に悪者を倒し再び平和を取り戻した、つづく。というだけでもないのです。必ず何かしらのメッセージが込められているのが、ヒーロー物なのです。私が一番好きだったヒーローは何と言っても「ウルトラマン」。再放送ではありましたがテレビにしがみつき観ていた事を覚えています。実はこのウルトラマンにもメッセージがあり、沖縄と深い関わりがあるそうなのです。それはウルトラマンと対決をする怪獣の名前を見ていけば明らかです。まず「チブル星人」は、頭の大きな怪獣ですが、沖縄の方言で頭の事を「チブル」と言います。そして「ザンパ星人」は、沖縄の読谷村にある観光地で有名な「残波岬」から付けられたと言われています。最後に、あの有名な怪獣「キングジョー」です。これは沖縄に非常に多い名字である「金城」から付けられたのです。その昔、沖縄に駐留している米軍人が「金城」という名字を冗談交じりに、キングジョー!キングジョー!と実際に言っていたそうです。しかしそれが何故、ウルトラマンの怪獣の名前に取り入れられたのでしょうか。それは、第一期ウルトラシリーズを企画し、脚本面から支えた作家として「金城哲夫」という沖縄県南風原町出身者がいたからなのです。更に、ウルトラマンの星である「M78」は、〈M→南〉で〈78→那覇〉で沖縄を指しているとういう説もあります。ウルトラマンは沖縄から誕生したと言っても過言ではありません。ウルトラマンの最終回にこんな場面があります。戦いに疲れ切ったウルトラマンが怪獣にひどくやられピンチになるのです。そんな姿を見たウルトラ警備隊の隊員が「自分たちの星は、自分たちが守らなければいけないんだ」と言うのです。それは、戦時中も戦争が終わった今も尚、日本の為に多くの犠牲を払ってきた沖縄に対してのメッセージなのだそうです。本土復帰から何十年という月日が経ちましたが米軍が引き起こす事故、軍人が関わった事件。沖縄に本当の平和がやってきているとは思えません。いつまで待てば国は解決の道を開くのでしょうか。米軍基地の移設は現実となるのでしょうか。ウルトラマンが伝えたメッセージのように、私たち自身で、本当の平和を手に入れなければならないのかも知れません。

探偵Sより