戦前移民者の無戸籍問題

沖縄では、明治32(1899)年に初めて27人のハワイへの移民をスタートにして海外移住者が増加しました。

当時の沖縄が非常に貧しかったことが原因だったようです。

明治32年から昭和13年までの移住者数は7.2万人で沖縄県民の約12%が海外に移住した計算です。

その後、第二次世界大戦が終わると先に移住していた親族などから呼び寄せられたり、琉球政府による移住政策が推進され、戦後移民がまた増え始めました。

そんな移民者の歴史の中で二世三世の世代になった今日、沖縄での相続人捜しの依頼が当社には多く寄せられています。

今回も戦前に糸満市からハワイへ移住した方の逝去に伴い沖縄での親戚捜しの依頼がありました。

ハワイでは、調査対象者夫妻には二人の娘さんもいたようですが、娘さんは子孫を残せず亡くなったようです。

海外でご苦労された沖縄県民として、親族を見つけて供養してもらいたい気持ちで探偵調査に当たりました。

出身地近辺の方々から情報提供を受け、同姓の方々から門中のお話を聞きながら、やっと親戚関係者にたどり着くことができました。

しかし、役所では、移民した対象者家族の戸籍などの公簿は、何も存在しませんでした。

糸満市役所によると「第二次世界大戦の戦火で戸籍などの公簿が焼失してしまいました。

戦後1955年から本人や家族の申請によってのみ、各人の戸籍が再製され始めました。

よって、本人や家族から申請がなかった人の戸籍は存在しません。」との説明でした。

今回のように戦前に海外に移住した方々の多くは、戸籍が再製されていないケースがあるようです。

残念ながら今回の調査では、戸籍での親族確認ができませんでした。

皮肉にもアメリカが焼失させた公簿を78年後にアメリカの裁判所が捜している事になりました。