美徳「奉仕の心」

東日本大震災が発生して、1ヶ月以上が経ちました。被災地では、厳しい環境の中、地道な行方不明者の捜索や復興へ向けての活動が行われています。被災者の方々には、心からお見舞い申し上げます。

今回の震災で、世界135カ国以上の国と地域から支援表明が出されており、日本が世界中から愛されている事、そして世界は一つで人間は助け合っていけるのだという事が証明されました。

被災地では、自衛隊や外国からの救援部隊の他に多くの一般人が「ボランティア活動」として被災地で貢献しています。自衛隊や警察などの活躍も心強く有り難いですが、ボランティアで現地入りしている方々の強く熱い気持ちには心が打たれます。

福島の大洗町では、ある暴走族が水戸警察署で解散式を行ったそうです。理由は、地元被災地で被災者と交流した事がきっかけで、「地域の人達に迷惑をかけた。地元の復興のため心を入れ替えたい」とし、今後は地元のボランティアチームとして再出発するそうです。

大事が起こる事で気持ちに変化が生じ、ボランティア精神に目覚めるという事も素晴らしい事ですが、常日頃からそんな気持ちを持ち、人知れず目立たないところで行動し続けている人は、なかなかいるものではありません。

ところがそんな奇特な人が身近にも居るのです。最近、私共の事務所前の歩道一帯を一人で黙々と清掃しているおじいさんがいます。この暑い日差しの中、雑草を抜き落ち葉を集めゴミ袋に入れる。気付けばゴミ袋は5袋以上になっており、事務所の前をとても綺麗にして頂きました。「有り難うございます。」と声を掛けると、おじいさんは「ただ自分にできる事をやっているだけだよ。」と照れくさそうに言っていました。その人は、近くにお住まいではないのでしょう。毎日バイクに掃除道具を積んで来ていました。今日はまた違う場所で社会の為に草取りをしているのでしょう。

正にその気持ちこそが「奉仕の心」なのだと教えてもらいました。