苦情につながる曖昧な契約例

先日、沖縄県調査業協会へお客様から苦情が入りました。警察や沖縄県消費生活センターへも申し出たとの事です。過去に何度も紹介した同じトラブルが、未だに起きていることに驚きます。浮気調査の相談者に対して、探偵業者は「数日間の浮気調査では、なかなか結果が出ません。一カ月程GPS調査を行えば空振りがありません。調査料金も大変割安になります。調査契約期間内であれば、お客さんのご希望の日時に現地で浮気調査を行います。30日間で50時間位の調査が一般的です。」と勧誘するようです。疑いと迷いを持ったお客様の心理状態を利用し、問題解決への期待感だけを高める「まやかしの営業」です。そのため、一番肝心な調査員の人数や日時・対応出来る時間帯などをGPS監視という口実で「あいまい」にして隠し、15日間とか30日間など長期間の調査依頼を取ろうとするものです。お客様は割安感をもって契約しますが、いざ、調査をしてもらいたい日時には探偵業者は調査に応じてくれません。探偵業者の言い訳は「他にも仕事があるから」だそうです。結果、探偵業者が「暇な時間」に行った現地での車の写真しかもらえない。ほとんどのお客様は、探偵とはこんなものかと諦めてしまうようです。契約書にも調査期間と合計の調査時間だけで日時の取り決め方などの記載はありません。口頭説明以上に「曖昧な契約内容」になっています。逃げ道はちゃんと作ってあるようです。この様にいまだに「GPS監視」を売り物にする探偵が存在しています。そして、依頼人様とトラブルを起こしているのです。
平成19年6月1日ちょうど12年前に「探偵業の業務の適性化に関する法律」が、施行されました。探偵業者とお客様のトラブルを無くすための法律です。これまで個人情報保護法や探偵業法など各法律施行前後、探偵業界は、大きく揺れ動きました。将来を悲観し廃業した者も多くいます。残った探偵業者は不安な中、必死で見識を高める努力をしてきました。しかし、当時を知らない新参者の探偵業者は、旧態依然のトラブルを今でも繰り返しているようです。残念ながら、探偵業者の中には、いまだに倫理観が乏しい者が多くいます。お客様は、そんな人間を相手にするからには、絶対に「曖昧な内容」での契約はしないでください。お客様が都合良く思える事項は探偵業者にとっても都合の良い逃げ道になるのです。「いつ・どこで・だれが・なにを・どうする」この基本要素をしっかり明示した調査委任契約書と重要事項説明書を作成できる探偵業者を見分けることです。